おんがく小噺 「レクイエムとハロウィーン」をアップしました。

「レクイエムとハロウィーン」

11月1日はキリスト教において諸聖人の祭日である「万聖節(ばんせいせつ)」と呼ばれる特別な祝日となります。キリスト教を信じて、身を捧げた(殉教含む)死者達の記念の日です。翌、11月2日はすべてのなくなったキリスト教徒達を記念する日として、諸死者の祝日「万霊節(ばんれいせつ)」とされています。その2日連続の祝日を前にして、前夜祭を行う風習が、特にアメリカを中心にして発展しました。「諸聖人の祝日の前夜=All Hallows eve(n)」が短縮されて、10月31日がHalloween(Hallowe'enとも)になったとのことです。ちなみに、その10月31日には死者の霊が家族のもとに向かう、とされているのですが(日本のお盆に似ていますね)、時期を同じくして悪霊や魔女達もわきいでてしまうため、身を守るために一晩中魔除けの火をたいて、仮面をつけるようになったとのことです。カボチャをくりぬいた、怖い顔の飾り付けも同じ意味です。そして、11月2日の万霊節において、ミサが行われるのですが、冒頭で歌われる入祭唱の歌詞が「永遠の安息を=requiemaeternum」(レクイエム・エテルヌム)で始まります。そのため、このミサのために書かれた曲を「レクイエム」と呼ばれるようになり、その後、葬儀のために作られるミサ曲全般が「レクイエム」と呼ばれ、11月2日に限らず演奏する習慣が広まったとのことです。

2022年10月12日